ステークホルダーのエンゲージメント向上及び情報開示を目的とした制作事業を展開する株式会社Saccoが運営するWebサイトcokiにニデック株式会社(以下、ニデック)とLCA Plusの対談記事が掲載されました。
今回は記事内容を抜粋して、ニデックが当時抱えていた課題から、LCA Plusの導入に至った経緯、今後の展望について紹介致します。(2023年7月記事)
記事リンクはこちら:https://coki.jp/sustainable/esg/30407/
ニデックが環境保全活動に乗り出したのは、2004年。他社に先駆けて気候変動対策に取り組む中で、製品のLCA算定手法に注目が集まります。ニデックの主軸事業であるモータは精密・小型から中・大型まで、様々な分野で使われる部品で、使われる場面も多岐にわたる。そんな中、定量評価の結果を活用し、より良い製品開発の指標となることを期待して、製品のLCA算定の方法を模索し始めました。
多岐にわたる事業領域の中で、どのような手法であれば製品のCO2排出量を適切に定量評価できるのか、適切なLCA(Life Cycle Assessment)の考え方を用いた算定方法の開発に課題を感じていました。ニデックは半年ほどかけて複数のLCA算定システムをベンチマークしていたものの、CO2排出量をコンパクトかつスピーディに算出できるものは見つからず、表計算ツールを用いた独自算定を検討することに。そんな中出会ったのが「LCA Plus」でした。ニデック環境統括部長、石橋健作さんは、「LCA Plusはまさに求めていたシステムで、データの信頼性とユーザー目線で設計された機能が魅力」と評価しています。
また、顧客側から算定結果を求められるようになってきたことも導入のきかっけとなりました。当時ニデックでは製品の製造に関わるサプライチェーンの上流も含めたデータの開示を求められることが増え、すぐさま要望に応じられる体制を整える必要がありました。ニデックに寄せられたのは「ニデック製品の製品CO2排出量の算定結果が欲しい」という声。その要望に応えるには、1個1個の製品を出発点として原材料の調達や製作まで遡り、最終的にエンドユーザーが使用するところまで辿っていき算定する必要があり、この手法を採用しているLCA Plusが実用的と判断し、導入を決断しました。
LCA Plusを導入することで、それまでデータ収集と算定に多大な時間をかけていた算定の標準化が進み、データの集約がスピーディかつ簡便に行えるようになったといいます。また、これまでニデックで検討してきた算定ロジックをシステムに落とし込むことで、ロジックの改善点も見える化できたと語ります。
もう一つLCA Plusを導入した大きな効果が、信頼性の高いデータベース「IDEA」を標準搭載し、データのカスタマイズも可能であるという点です。例えば、CO2排出量の少ない原料や部材だけ他のデータベースや1次データと組み合わせて算定することなどできるため、企業ごとの細かいニーズに対応したシステムとなっています。石橋さんは「ユーザー目線でしっかりと作り込まれたシステム」「製品単位でLCAを算定できる、まさに求めていたシステム」と評価し、マスターデータをカスタマイズできる機能は、開発現場でも活用できると展望を語ります。
本記事のリンクはコチラ:https://coki.jp/sustainable/esg/30407/