ステークホルダーのエンゲージメント向上及び情報開示を目的とした制作事業を展開する株式会社Saccoが運営するWebサイトcokiに共同印刷株式会社(以下、共同印刷)とLCA Plusの導入事例及び対談記事が掲載されました。
今回は記事内容を抜粋して、共同印刷がLCA Plus導入前に抱えていた課題から、LCA Plusの導入に至った経緯、今後の展望について紹介致します。
記事リンクはこちら:https://coki.jp/sustainable/esg/48931/
―LCA Plus導入を検討するに至った背景
岩崎様(以下、岩崎)
私の部署は、生活・産業資材事業を中心に、プラスチック包装材などの製造を主力としています。こうした事業の性質上、プラスチック使用や環境負荷に対する社会的な声は年々高まっており、これに対応することは企業の責務だと考えていました。そこから、5~6年前にLCA手法によるGHG排出量の算定を始めましたが、クライアントからの要望や社会全体の環境意識の高まりに応じて、より迅速かつ正確に排出量を把握する必要が出てきました。そのため、従来の手動算定では対応が難しくなったため、LCA Plusの導入を検討するようになりました。
―LCA Plus導入前に、抱えていた課題
岩崎
一番の課題は、カーボンフットプリント(CFP)の算定にかかる時間と工数でした。以前はExcelを使って算定を行っていましたが、1つの品目についてカーボンフットプリント(以下、CFP)を計算するのに、工場や資材担当とデータをやり取りしながら2~3週間を要する状況でした。また、お客様からの質問や要望に対しても、回答までに1週間以上かかることが多かったです。さらに、算定業務が属人的であり、担当者によってデータの収集や算出方法が異なることが大きな課題でした。そのため、社内でのデータの一貫性や透明性を確保することが困難でした。
―クライアントから寄せられていた要望
岩崎
ここ数年で、クライアントからの要望は急激に増加しました。特に、製品ごとのCFPや半年間の納入製品ごとのCO2排出量についての具体的なデータ提供が求められるようになりました。こうした要望に迅速に対応することで信頼を得ることが重要だったのですが、従来の算定方法では時間がかかりすぎ、レスポンスが遅くなることが課題でした。また、我々としてもクライアントに対して「排出量を減らすためにどんな提案ができるか」といった具体的な提案も考えるようになり、単にデータを算定するだけでは不十分だと感じていました。
―社内に内在した課題
岩崎
社内での主な課題は、「環境問題への認識不足」でした。特に製造現場では、日々の生産業務が優先されるため、環境負荷の低減やカーボンフットプリントの算定に取り組んでいただける余裕がない状況でした。また、他部署の従業員からは、「それが本当に利益につながるのか」、「なぜ環境負荷を計算する必要があるのか」といった疑問の声も上がっていました。こうした認識のギャップを埋めることが、導入を進める上での課題になりました。

―LCA Plusを導入する決め手となったポイント
岩崎
当初はExcelで算定を行っていたため、算定に時間がかかるうえ、データの透明性や一貫性に課題を抱えていました。その点、LCA Plusは初心者でも操作しやすいインターフェースを備えており、ISOに基づいた信頼性の高い算定が可能でした。さらに、国内最大級の原単位データベース「IDEA」を活用している点も、導入を決めた理由の一つです。
―社内での課題解決方法
岩崎
まず、CFPの必要性や算定の重要性について、社内向けの研修や説明会を開催し、各部署の理解を深めることに注力しました。特に製造現場や他部門の担当者にもCFPの意義を丁寧に共有することで、スムーズな運用体制を整えることができました。さらに、三井物産からの手厚いサポートも導入を後押しする大きな要因となりました。LCA Plusの操作方法や算定プロセスについての丁寧な説明だけでなく、オプションサービスにより導入後も継続的に相談や具体的な運用アドバイスを受けることができたため、安心して運用を開始することができました。これらの支援のおかげで、社内での迅速な導入とスムーズな運用が実現したと感じています。

―LCA Plusを導入したことでの業務に於ける変化
岩崎
一番大きな変化は、業務の効率化です。従来2~3週間を要していた算定作業が、LCA Plusを導入することで1~2営業日で完了するようになりました。例えば、あるお客様から朝にいただいたCFPの算定依頼に対し、その日の夕方には回答をお渡しできたという実例もあります。この迅速な対応は、クライアントとの信頼関係を強化する大きな要因となりました加えて、これまでExcelで行っていた手作業が減ったことで、算定担当者の工数が大幅に削減され、他の業務にもリソースを割けるようになりました。
―データの透明性や信頼性についての変化
岩崎
LCA Plusは、国内最大級の排出原単位データベースである「IDEA」を活用しています。このデータベースを基に算定を行うことで、これまで曖昧だったデータの信頼性が大幅に向上しました。また、算定プロセスそのものもシステム化されており、社内での基準が統一されたことで、データの透明性も確保されています。さらに、独自に登録したデータや過去の算定結果もLCA Plus内で一元管理できるため、これまでにない整合性を持ったデータ分析が可能になりました。このような信頼性の高さが、社内外での評価を高めるきっかけとなっています。
―製品開発にもLCA Plusを活用
岩崎
製品開発でも大いに活用しています。たとえば、新たな製品を設計する際、環境負荷を考慮したモノマテリアル化や材料選択によるCO2削減効果を検討するためにLCA Plusを活用しています。これにより、環境負荷を低減しながら製品を設計することが可能になりました。また、既存製品の仕様変更を行う際にも、LCA Plusを使って排出量をシミュレーションし、改善策を提案しています。このように、LCA Plusは単なるデータ算定のツールにとどまらず、製品戦略を支える重要な役割を果たしています。
―社内の意識に変化について
岩崎
導入当初は、社内でのCFPや環境負荷削減に対する認識が十分ではありませんでした。しかし、LCA Plus利用を通じた研修プログラムやワークショップを実施したことで、徐々に環境問題への理解が浸透してきました。特に、データが「見える化」されることで、現場の従業員も環境負荷低減の重要性を実感しやすくなりました。さらに、LCA Plusをきっかけに、部門間での連携も強化されました。これまで独立して動いていた技術開発部門や製造部門が一体となり、環境負荷を減らすための取り組みを共同で進めるようになり、組織全体の一体感が高まったと感じています。
―クライアントからの反応
岩崎
非常に良好です。LCA Plusを導入したことで、クライアントへのレスポンスが格段に速くなり、信頼関係の構築がスムーズに進むようになりました。また、「LCA Plusを使っている」と明示することで、クライアントからも「具体的なデータが見えるのはありがたい」といった評価をいただいています。中には、「どのように削減できるのか」といった相談を受ける機会も増え、お客様と一緒に環境負荷を減らすプロジェクトを進めることができています。これもLCA Plusがもたらした大きな成果だと感じています。
―共同印刷がLCA Plusを活用して目指す未来
岩崎
弊社としては、2050年カーボンニュートラルの実現を重要な目標に掲げています。この目標を達成するためには、自社内での取り組みだけでなく、サプライチェーン全体を巻き込んだ環境負荷削減が必要です。LCA Plusは、製品ライフサイクル全体を可視化し、削減のポイントを明確にするツールとして、こうした取り組みを支える重要な役割を果たしています。また、当社が掲げる「TOMOWEL 共にある、未来へ」という理念を実現するため、地球環境に優しい製品づくりや持続可能な社会を目指し、お客様や社会と共に歩むという姿勢を大切にしています。LCA Plusを活用することで、環境負荷の少ない製品の提案力を高め、それを通じて社会的な信頼を得たいと考えています。
―LCA Plusを活用することでの具体的な展望
岩崎
まずは、サプライチェーン全体での透明性向上を目指しています。LCA Plusを導入することで、上流の原料調達から製造、配送、そして最終的な廃棄に至るまで、各段階でのCO2排出量を定量的に把握できます。このデータを基に、協力会社やブランドオーナー様と連携しながら、具体的な削減施策を実行していきたいと考えています。また、サーキュラーエコノミーの実現にも寄与できると考えています。製品の設計段階からリサイクルや再利用を見据えることで、廃棄物を減らし、資源を効率的に活用する仕組みを構築したいと考えています。LCA Plusは、こうした循環型の取り組みをデータで支える強力なツールになると期待しています。

LCA Plusは、CFPを効率的に算定・管理できるツールです。CFPの算定だけでなく、データの保存や分析、報告までワンストップで行えるのが特徴だと思っています。
また、IDEAデータベースを基にした高い信頼性と、誰でも直感的に操作できるユーザーインターフェースを持ち合わせています。この特性が、CO2排出量の可視化や削減活動をスムーズに進める上で非常に有効だと感じています。
―最後に、LCA Plus導入を検討している方に向けてのメッセージ
LCA Plusは、自社の環境負荷を正確に把握し、未来に向けた戦略を築くための重要な一歩だと考えています。
環境負荷削減の取り組みは、社会的責任を果たすだけでなく、企業の信頼性や競争力を高めることにもつながります。
簡便性と高い信頼性を兼ね備えたツールですので、導入することで多くのメリットを得られるはずです。
ぜひ一緒に、持続可能な未来を創りましょう。
記事リンクはこちら:https://coki.jp/sustainable/esg/48931/